ロープレスキュー自主勉強会

 今回の自主勉強会は新資器材であるCMC RESCUE社のCLUTCHの取り扱いに加え、ロープレスキューに関する基本及び自分達の目的は何かを再認識することをテーマとしつつ、勉強会を通して横に繋がりを広げ情報共有を行うことで「同じ志を持った仲間が居る」と認識することを目的に企画されたもの。講師には埼玉県内の消防本部に所属し、ロープレスキューのスペシャリスト「ダニエルさん」として知られる八幡勝氏、同消防本部の竹崎祐太氏、そしてファーノ・ジャパン・インク日本支社から袈裟丸和生氏、佐藤将和氏を招き、茨城県潮来市にある廃校となった小学校を舞台に2019年12月21日~22日の2日間の日程で訓練などが行われた。

 参加者は茨城県や千葉県のみならず、栃木県、東京都、宮城県、三重県、神奈川県、新潟県から総勢100名以上が参加し、さらに民間企業から、東電フュエル株式会社、JSR株式会社の自衛消防隊員が参加した。
 各地から約100名にも及ぶレスキュアーが集結したという現実は、それだけロープレスキューに対する関心が高いということであり、同時に「どうすればいいのだろう?」という不安の現れでもあると講師の八幡氏は言う。各地の消防本部ではロープレスキュー用の資器材が整備されつつあるが、「資器材はあるがどう使えばいいのか?」「何から学べばいいのか?」という疑問を多く投げかけられるそうだ。そこで、勉強会などではこうした不安や疑問を解消した上で、現場活動に必要な知識・技術を伝達できるよう心がけているという。

 今回の自主勉強会はテクニカル・ロープ・レスキューとしてNFPA(全米防火協会)規格に準拠する資器材を使用した救助技術訓練として行われたが、ロープレスキューに関する新しい情報だけを羅列するのではなく、従来から使用している三つ打ちロープの技術内容を含ませながらの説明などが行われたのもポイントだ。これにより、理解もしやすく、さらには新しい知識や技術を学ぶことで、従来からの三つ打ちロープに関する知識や技術も深まったようだ。
 新しい技術や装備に触れつつ、日頃の不安や疑問を解消することができ、参加者にとって実り多い訓練となった。

 

■Voluntary rescue training organizations

 茨城県東部の有志により2013年頃からロープレスキューの自主訓練を行い、2016年4月にさらなる知識・技術の向上を目指すべく、自主訓練団体『Voluntary rescue training organizations』(略称:V.r.t.o)が発足した。同団体では人命救助に携わる職務に活かすことを目的に、自主的に救助・救急・消火戦術といったオールハザードでの活動対応に関する勉強会を実施。また、近年増加している大規模自然災害に対する災害ボランティアとして、茨城県やその近隣地域において災害ボランティア活動も行っている。現在、茨城県内及び千葉県の消防職員をメンバーとして活動し、毎月1回~隔月1回のペースでロープレスキュー訓練を実施している。

 

  • 基本結索訓練では三つ打ちとの違いも学ぶ。
  • 基本ともいえる支点作成の訓練。
  • フレームワークの訓練。力のかかり方などを知り意識することが重要。
  • 新資器材であるCMC RESCUE社のCLUTCHの取り扱い説明。
  • 新資器材であるCMC RESCUE社のCLUTCH。
  • CLUTCHを活用しての引き込み訓練の様子。
  • 訓練には民間の自衛消防隊員も参加。
  • 日頃の不安や疑問を解消できるよう説明を行う講師。
  • ロープレスキューの基礎から学び最新資機材にも触れることができた。訓練はあいにくの空模様の中で行われたが終始熱気に包まれた勉強会となった。
  • 2日目の訓練に参加された皆さん。

 


 

本記事は訓練などの取り組みを紹介する趣旨で製作されたものであり、紹介する内容は当該活動技術等に関する全てを網羅するものではありません。
本記事を参考に訓練等を実施され起こるいかなる事象につきましても、弊社及び取材に協力いただきました訓練実施団体などは一切の責任を負いかねます。

 


 

取材協力:V.r.t.o事務局/ファーノ・ジャパン・インク日本支社


初出:2020年4月 Rising 春号 [vol.17] 掲載

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