平成28年(2016年)熊本地震 被災地レポート

 

ライズとして何ができるのか──。
それ以前に、自分自身に何かできることはないだろうか──。
発災以降、ただただそんなことを考えていた。
そして、被災地にてボランティアの受け入れが始まってしばらくが経ったころ、日ごろからお世話になっている消防職員の方が、災害専門ボランティアグループの交代要員として震度6強を観測した南阿蘇村に入るという話を聞いた。
同行させてほしいという私の願いを快く受け入れていただき、仕事を終わらせた5月6日の夜に広島を出発した。
ボランティアの皆さんの後方支援的役割しか果たせないだろうが、無駄ではないはず。

とにかく、被災地の状況を知ろう。そう思いながら熊本に向け車を走らせた。

 


 

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熊本インターから南阿蘇村へ向かう道中。道路損壊などにより通行止めとなっている場所があり、迂回を余儀なくされた。

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活動1日目。倒壊ブロック塀の完全撤去を実施する。グラインダーにより鉄筋を切断する。

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鉄筋を切断しフリーとなった倒壊ブロック塀を、重機を用いて塊ごとに除去していく。

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屋根のシート張りの依頼が入り、活動人員を分けて転戦を行う。しかし、家人が不在のため中止となる。

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元の現場へ移動を開始する。通常であれば5分程度で移動できる距離だが、通行止めによる迂回を重ね、片道1時間ほどの時間を要した。

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震度6強を観測した南阿蘇村。揺れの激しさを物語るように、家屋は無残に破壊しつくされていた。

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小学校のグラウンドが震災廃棄物の一時集積場所となっている。除去したブロック塀もここに持ち込んだ。

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2日目に活動予定の現場を事前偵察する。倒壊防止措置として屋根瓦等の重量物除去を行うが、建物自体のゆがみが激しい。そこで市販のパイプサポートにより簡易的なショアリングを実施した。

建物の動きを把握するため、ふりさげを設定。

建物の動きを把握するため、ふりさげを設定。

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活動2日目。ふりさげをチェックし、動きがないことを確認してから活動を開始する。まずは屋根上に敷き詰められた瓦をすべて除去する。

防水シートを除去し、釘を引き抜き、屋根材をクレーンで下ろす。この活動は地元の大工職人の指導・指揮のもと実施された。

屋根の荷重が解除されたことで、建物の傾きが若干戻る。地面のマーキングとふりさげのズレがそれを示す。

屋根の荷重が解除されたことで、建物の傾きが若干戻る。地面のマーキングとふりさげのズレがそれを示す。

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傾きの戻りにあわせショアの効きをチェック。突っ張りを微調整していく。

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木材切断に活用されたチェーンソーの刃を研ぐ。

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南阿蘇村から阿蘇山を望む。

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県内の状況を少しでも把握しようと、南阿蘇村から益城町を経由して熊本市へと向かう。益城町では道路脇の標識も倒れかけ、ブロック塀が崩れていた。

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益城町の様子。方々で家屋倒壊が起こっていた。

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熊本市東消防署。震災時の警戒態勢として、車両が車庫前に出されていた。

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熊本市内の状況。信号が止まり、警察官による誘導が行われている。

 

 


 

 

今回は同行させていただいた災害専門ボランティアグループが活動する、4月16日の本震で震度6強を観測した熊本の南阿蘇村で微力ながらお手伝いをして来た。
5月6日(金)の夜に出発し、9日(月)の仕事に間に合うように広島へ戻るスケジュール。全52時間の中で、活動できたのは日中の18時間程度しかなく、出来る事も限られている。
至る所に手付かずの状態、不安全な箇所があるのに、そのままにして帰広しないといけないのが心苦しかった。
被災地に立ったことで改めて思ったのは、この1回だけではなく、今後も連綿と活動を続けていかねばならないということだ。
「これをやって欲しい」という被災地の皆さんのニーズがある限り、そして、私に出来る事がある限り、お手伝いを続けていこうと改めて心に誓った。

 

災害専門ボランティアグループの活動に対し、地域住民からお礼としてオカリナによる「ふるさと」が贈られた。

 

 

■ボランティア活動をサポートする制度

 

 

平成28年熊本地震では「災害派遣等従事車両証明書」の発行がなされていて、高速道路などの通行料無料措置が講じられている。
こうした制度を活用すれば、ボランティア活動を行う者の負担が少なく、被災地に通うことが出来る。

 

 

 

 

平成28年熊本地震に伴う「災害派遣等従事車両証明書」の発行について

 


 

写真・文:伊木則人(株式会社ライズ・代表取締役)

 

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