重量物に打ち勝て!! ヘビーウェイトリフティング&クリビング トレーニング


日本国内では「都市型捜索救助(US&R)技術」として知られている「クリビング」だが、米国においては消防機関が日常的に用いる基本的手技として定着している。日本においても「あて木」として古くから救助活動に活用されているが、あて木に関する操法などはない。そうした中で、重量物の安定化や持ち上げなどに効果的であり、震災対応技術としてだけでなく日常的に役立つ手技として注目され、国内でも自主勉強会が行われている。平成28年12月に京都府で実施された勉強会には、府内から集まった消防職員がガレ場において「ヘビーウェイトリフティング」と「クリビング」について学んだ。
瓦礫の上にある大きなコンクリート板を持ち上げる訓練では、指揮者が全体の状況に注視しながら指示を出し、バールでコンクリート板を持ち上げるとその下にクリブを差し込んで安定化。この動作を繰り返すことで、目的の高さまでコンクリート板を持ち上げる。この際、クリブ崩壊などによる重量物落下といったリスクが考えられるため、クリブの挿入も直接重量物の下に手を入れず、バールや棒状の物を活用する。また、バールにより片側を持ち上げた場合、反対方向へ重量物が滑り出す恐れがある。そこで、反対側にストッパーとなる要員を配しておく。
地面に置いた重量物を用いた訓練と異なり、フラット面が存在しないガレ場。こうした状況で役立つのがウェッジといったクサビ類の活用だ。これにより隙間を埋めていくことで安定化することが可能となる。
シンプルな手法だが危険度も高い技術。参加者たちも細心の注意を払いながら技術を吸収していた。

 

■KYOTO USAR

京都府内の消防職員が中心となり活動を行う自主勉強会です。都市型捜索救助技術に関する勉強会など、人命救助に関する幅広い分野について勉強会を実施しています。

 

  • 瓦礫の上での安定化という非常に困難な状況で訓練を行う。京都USARでは各種手技などについて数多くの勉強会(訓練会)を重ねており、全国からの参加者も多い。
  • 重いコンクリート板をバールで浮かせその下にクリブを挿入する。
  • 瓦礫の上でのクリビングであるためクリブの設定も変則的になる。
  • 3名が息を合わせバールでコンクリート板を浮かせる。
  • 持ち上げを行う逆サイドにはストッパー要員を配置。
  • コンクリート柱の下敷きとなった要救助者の救出訓練。
  • その場にある瓦礫にてフラット面を作成しクリビングを行う。
  • バールでの持ち上げで重量物が滑り出さぬよう、短管パイプで止める。
  • クリブを挿入し、重量物を解除する。

 


 

本記事は訓練などの取り組みを紹介する趣旨で製作されたものであり、紹介する内容は当該活動技術等に関する全てを網羅するものではありません。
本記事を参考に訓練等を実施され起こるいかなる事象につきましても、弊社及び取材に協力いただきました訓練実施団体などは一切の責任を負いかねます。

 


 

参考文献:第12回全国消防救助シンポジウム抄録集

写真:伊木則人

文:木下慎次

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