九州US&R研究会 RESCUE SYSTEM Breaching BASIC Course

 ブリーチングとは壁等の鉄筋コンクリートを破壊する技術のことで、大規模自然災害などにより建物が倒壊し開口部が失われた状況において、コンクリートを破壊しなければ進入や救出ができないという場合などに用いられる技術だ。九州地域の有志が集まり「九州を一つに」というスローガンのもとに活動を行う「九州US&R研究会」では、平成30年11月5日と6日の2日間をかけてブリーチングに関するベーシックコースを開催した。

 訓練会場となったのは廃校となった学校の校舎など。訓練では破壊対象付近に要救助者がいない場合に用いるダーティーブリーチングや、要救助者がいる場合にコンクリート片の飛散等で傷つけないよう配慮するクリーンブリーチング、それらを用いた想定訓練などを実施した。コンクリート板などではなく実際の建物を使ってブリーチングを行うと、場所によって違う構造になって予想以上に労力を要したり、逆に簡単に突破できたりもする。サイズアップの重要性についても身をもって理解できたようだ。

 参加者は座学において状況評価などの概要について学び、その上で実技訓練により困難性や危険性を体験。この積み重ねにより、ブリーチングについて技術(手技)だけでなく総合的な知識として学ぼうというのがテーマ。そこで、本コースでは2日間の全カリキュラムを受講することを条件とし、訓練のみの参加は不可とした。現場において技術そのものが目的となってはいけない。ブリーチングは環境悪化などの危険も伴う。他の手段を検討した上で、これしかないという場合にブリーチングができるという考え方が最善なのである。こうしたテーマの元、ブリーチングの基礎について幅広く学べるようコースが作られているのが印象的だった。

  • 電動ハツリ機等を活用したクリーンブリーチングによる下方突破。
  • 廃校になった学校の建物を活用して実施された九州US&R研究会によるブリーチングの訓練会。
  • 設定した開口部より救出を行う想定訓練。
  • エンジンカッターにより巻き上げられる粉塵を抑えるためジェットシューターにて散水を行う。
  • コンクリートの先に潜む鉄筋を切除。
  • 重量のあるツールを脚立で吊るし負担緩和を図る。
  • 切断個所をマーキングで示す。
  • エンジンカッターなどによる側方突破。
  • ブロックを用いた壁体をハンマーで打ち抜く。

 


 

本記事は訓練などの取り組みを紹介する趣旨で製作されたものであり、紹介する内容は当該活動技術等に関する全てを網羅するものではありません。
本記事を参考に訓練等を実施され起こるいかなる事象につきましても、弊社及び取材に協力いただきました訓練実施団体などは一切の責任を負いかねます。

 


 

取材協力:九州US&R研究会

写真:九州US&R研究会/木下慎次

文:木下慎次


初出:2019年01月 Rising 冬号 [vol.12] 掲載

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