4 REAL TRIGGER 2022

 ロープレスキューについての学びを深めるべく、群馬県を中心とした消防職員有志により編成されたチーム「4 REAL(フォーリアル)」では、Real(現実)・Think(考える)・Share(共有)・Growth(成長)をチームコンセプトに活動を行っている。その「共に学ぶ輪」をより多くの人々と共有し成長できればとの考えから、ロープレスキュー大会を開催することとした。

 令和4年7月13日に群馬県吾妻郡中之条町にある沢田体育館で開催された「4 REAL TRIGGER(フォー リアル トリガー)」と題したこの大会は、共に学び成長する勉強会として位置付けられているのが特徴。運営側にとっても学びの場と捉えており、お互いの技術を見て学ぶということをテーマとしている。

 このテーマに賛同し、大会には東北や関東甲信地方から10チームが参加。会場の体育館内には4つの想定が用意され、A想定は運営側で用意した救助用三脚を使用し、自立した高取支点を設定して宙吊り状態のビクティムを救出するというもの。B想定は低所から救助用担架によりビクティムを救出。C想定は階段室にて身動きが取れなくなったビクティムを救出。D想定は意識を消失し30分経過した宙吊り状態のビクティム2名をグランドレベルまで救出するというもの。1想定ごとに出場できる人数は4名(内1~2名はビクティム)で、各チームともこれまで研鑽を重ねてきた技術を駆使して活動を展開した。

 運営スタッフ、参加者、見学者のすべてにトリガー、つまり今後につながる何かの「きっかけ」をつかんでもらおうと開催された本大会。大きな大会とは異なる活気に溢れているのが印象的だった。

 

  • 救助用三脚の使用を必須としたA想定。自立した高取支点を用いて引き揚げ救出を行う。
  • 救助用担架の使用を必須としたB想定。
  • 狭いキャットウォークを活動スペースとして救出にあたる。
  • 手すりを支点としてロープラインを設定する。
  • 階段室を浸水で一部水没している地下空間に見立て行われたC想定。
  • ビクティムに救出ラインなどを接続し救出を開始する。
  • 宙吊り状態のビクティム2名をグランドレベルまで救出するD想定。
  • 地上から素早くアクセスし宙吊り状態を解除して救出を行う。

 

参加者と運営スタッフの皆さん。

 


 

本記事は訓練などの取り組みを紹介する趣旨で製作されたものであり、紹介する内容は当該活動技術等に関する全てを網羅するものではありません。
本記事を参考に訓練等を実施され起こるいかなる事象につきましても、弊社及び取材に協力いただきました訓練実施団体などは一切の責任を負いかねます。

 


 

取材協力:4 REAL

写真:木下慎次/伊木則人

文:木下慎次


初出:2022年11月 Rising 秋号 [vol.27] 掲載


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