サーチ&レスキュー研修会

 災害実働における救助犬チームの在り方や消防救助隊との連携を考えることを目的に、NPO法人災害救助犬ネットワークではスイス救助犬団体レドッグとの共催、消防庁・内閣府・外務省の後援により、兵庫県防災センター屋外訓練場などにおいて平成30年11月23日~25日の日程でサーチ&レスキュー研修会を開催した。
 初日は救助犬関係者向けのセミナーとトレーニングを実施。人命救助のスキームを実際に見せ、先進国スイスで活躍するレドックから評価を得てディスカッションを行い、効果的かつ現実的なスキームのブラッシュアップを目指した。
 2~3日目は消防救助隊向けとして、スイスのレスキューシステムや救助犬の活用法についての講演や、実際の消防指揮隊と救助犬によるブラインド訓練を実施。災害救助犬ネットワークと群馬県下の消防救助隊が検討を進める「ドッグサーチ群馬県モデル」に基づいた訓練を他地域の消防職員やレドックに見てもらうことで評価をもらい、ディスカッションの中で仕組みを整えて行くことを目的とした。
 訓練では群馬県モデルを推進している消防機関(2消防本部)から実際の消防指揮隊2隊が参加した。想定はレドックが用意した「現場は地震で倒壊した市街地約3000平方メートル、要救助者は5名ほどいる」というもの(実際の要救助者は3名だった)。これに対し、現場を統括する消防指揮隊のもと救助犬チーム7名が連携して探索に当たった。
 災害救助犬ネットワークでは災害現場への効果的な救助犬投入を目指すべく、今後もレドックとの連携や協力、研修会の開催等の取り組みを積極的に行っていき、災害救助犬による「救える命を救う体制」の確立を目指していくことにしている。

  • 現場指揮本部にて消防指揮隊の下命を受ける救助犬チーム。
  • 「ドッグサーチ群馬県モデル」に基づいた訓練の様子。
  • 「ドッグサーチ群馬県モデル」に基づいた訓練の様子。
  • 「ドッグサーチ群馬県モデル」に基づいた訓練の様子。
  • 「ドッグサーチ群馬県モデル」に基づいた訓練の様子。
  • 「ドッグサーチ群馬県モデル」に基づいた訓練の様子。
  • 「ドッグサーチ群馬県モデル」に基づいた訓練の様子。
  • ブラインドによる捜索訓練後にサーチ&レスキューの評価が行われた。
  • スイスにおける救助犬や活動に関するセミナーの様子。

 


 

本記事は訓練などの取り組みを紹介する趣旨で製作されたものであり、紹介する内容は当該活動技術等に関する全てを網羅するものではありません。
本記事を参考に訓練等を実施され起こるいかなる事象につきましても、弊社及び取材に協力いただきました訓練実施団体などは一切の責任を負いかねます。

 


 

取材協力(写真・情報提供):NPO法人 災害救助犬ネットワーク

文:木下慎次


初出:2019年04月 Rising 春号 [vol.13] 掲載


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