TRES 2019 第21回テイセン車両・資機材研修会
消防ホースや被服、防火衣、救助工作車をはじめとする防災車両などでおなじみの帝国繊維株式会社が、栃木県鹿沼市にある同社鹿沼工場にて第21回テイセン車両・資機材研修会「TeisenRescue Equipment Seminar 2019」(TRES 2019)を開催した。当初は令和元年10月17日~18日に開催が予定されていたが、その直前に台風19号が襲来し、東日本の広範な地域に甚大な被害をもたらした。これにより多くの方が被災し、消防機関においても懸命の救助活動が行われていた。また、河川の氾濫や土砂災害に対する警戒が継続的に必要であることから、今年度の開始はいったん中止が決定した。しかし開催要望の声が多く寄せられたことを受け、日程を11月27日~28日に変更し実施されることとなった。
例年であれば車両工場にて各工程(フレーム架装、中間検査前等)で製作中の車両を見学することができるが、開催時期が変更となったことで作業状況も進み、さらには年度末納車に向けた超繁忙期に入ってしまっている。そこで、今年度は工場見学は実施できず、完成車の展示のみが行われた。一方、シャーシメーカーやキャブ改造メーカー、警光灯メーカー、照明やクレーン、ウインチといった主要装備メーカー、そして積載物である救助資機材の取り扱い業者などによる展示は例年通り行われた。
研修会の目玉となるのが車両破壊の技術講習と実習体験。本国のLUKAS社からインストラクターを招き、最新のバッテリー駆動式大型油圧救助器具であるLUKAS「eDRAULIC」により、カッターでのピラー切断やスプレッダーでのドア開放、ラムシリンダーによるダッシュボード拡張など一連の車両破壊を体験。ドア開放に際してこれまではフェンダーを潰して間隙を作るといったアプローチが常套手段とされていたが、近年ではフェンダーの素材や強度の変化によりこれが難しい場面も生じつつある。そこで、ロックサイドからのアプローチが展示された。
また、本国で発売が開始されたばかりの「eWXT」シリーズも公開。これは「eDRAULIC WATERTIGHT EXTRICATION TOOL」の略で、バッテリー駆動式大型油圧救助器具でありながら水中使用が可能なモデルとして注目を集めているもの。今後日本でも販売が開始される予定だ。
大規模自然災害が続発する今だからこそ、最新の装備や活動技術を知っておきたい。こうした要望に応えるべく急遽開催が決まった今年度のTRES。全国から集結した消防人たちの篤き想いにより、会場は例年以上に熱気に包まれているのが印象的だった。
出展報告株式会社ライズは TRES 2019 に出展させていただきました。 |
限定オリジナルグッズ 販売中!
テイセン車両・資機材研修会「Teisen Rescue Equipment Seminar」開催を記念して、TeisenとRISEのコラボレーションによる限定オリジナルグッズが登場!
初出:2020年1月 Rising 冬号 [vol.16] 掲載