チェーンソー防護用品クローズアップ!

 災害現場における障害物の除去や開口部の設定に活用されるチェーンソー。風水害対策や震災対策の装備として拡充が進められ、常備・非常備消防ともに高い配備率を誇る破壊切断器具といえる。そのチェーンソーの使用にあたり、労働安全衛生規則が改正され平成31年8月1日より下肢の切創防止用防護衣の着用等が義務付けられた。

 防護衣にはズボン型やチャップス(エプロン)型があり、災害現場対応なら雨衣や防火服などとの組み合わせが容易で編み上げ靴を脱がずに着装できるチャップスがオススメだ。

 防護衣の着用はチェーンソーを業務で使用する全ての業種が対象となり、常備・非常備消防といった災害対応機関も例外ではない。「伐木や倒木処理は行わないから」といった考えを挟む余地はなく、むしろ事故が多いために対策が強化されたという側面を踏まえ、チェーンソーの安全な活用について考える必要があるといえるだろう。

  • チェーンソーによる自傷事故は足部に集中している。(画像出典:DRT-JAPANフェイスブックページ)
  • 下肢の切創防止用防護衣の着用等義務化後に行われた2019年の防災訓練では、早速チェーンソー使用者がチャップスを着用していた。
  • 特別教育の実施も進められている。

下肢の切創防止用防護衣について

 

下肢の切創防止用防護衣はカッターが接触した際、左の写真のように内部のアラミド繊維が絡んで回転を止め、皮膚の切断などを防ぐというもの。
こうした性能を有した複数層繊維はいわゆる「チャップス素材」などと呼称されている。
同じアラミド繊維を使用していても防火ズボンにはこうした性能はないため、防護衣の代用としては使用できないということになる。
カッターを止める性能には規格があり日本工業規格の「JIS T 8125」、国際標準化規格の「ISO 11393」、欧州規格の「EN 381‐5 」(右画像参照)などがある。
厚生労働省のガイドラインでは、これら規格に定める防護性能を有する製品を使用する場合はガイドラインに適合とみなしている。

ライズ取り扱い中の切創防止用防護衣

 

■チェーンソー防護用 チャップス

雨衣や防火服などとの組み合わせが容易で、編み上げ靴を脱がずに現場にて着装できるチャップス。
腰・太もも・ふくらはぎ部分をベルトで固定し、脚の前面をガード。
軽量で柔らかく、快適な動きを実現しつつ安全性も抜群。

 

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■チェーンソー防護用 脚絆

脚部と同じく事故が多い足部を守る脚絆。
活動靴では防ぎきれぬチェーンソーの接触からしっかりガード。

 

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■振動軽減チェーンソー用 防護グローブ

マイクロファイバーパッドによる振動軽減とフリース素材による防寒機能を備えたグローブ。
10層繊維でチェーンソーから手を保護します。
※防護素材は左手のみとなります

 

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初出:2020年1月 Rising 冬号 [vol.16] 掲載


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