平成30年度緊急消防援助隊北海道東北ブロック合同訓練

 阪神・淡路大震災の教訓を踏まえ、大規模災害などが発生した際に被災した都道府県内の消防力では対応が困難な場合に、全国の消防機関相互による援助体制を構築するため、平成7年に創設された緊急消防援助隊。その技術や連携活動能力の向上を図るため、総務省消防庁の主催により全国の自治体及び消防機関の協力のもと、平成8年度から全国を6ブロックに分けてブロック合同訓練を毎年実施している。北海道、青森県、岩手県、秋田県、宮城県、山形県、福島県、新潟県の1道7県で構成される北海道東北ブロックでは毎年持ち回りで訓練を実施しており、平成30年度は福島県いわき市で開催された。平成23年3月11日に発生した東日本大震災の際に、いわき市は沿岸部に甚大な被害を受け緊急消防援助隊(静岡県隊:48隊・218名)の応援を受けた経験を持つ。今回の訓練は東日本大震災以降、津波被災地で初めて開催される実動訓練となった。

 訓練は平成30年11月17日(土)8時00分に福島県沖を震源とするマグニチュード9・0の地震が発生。いわき市で震度6強を観測し、沿岸部には津波警報が発表されたというもの。この地震によりいわき市及び双葉郡楢葉町を中心とする福島県沿岸地域では、建物倒壊、火災、土砂災害及び津波による浸水被害等、甚大な被害が発生。このため、福島県広域消防相互応援協定に基づき県内応援隊が被災地域へ出動し、消火・救助活動を実施。さらに、被害が甚大かつ拡大の様相を呈していることから、緊急消防援助隊の応援を要請したとの想定で、平成30年11月17日(土)~18日(日)の2日間で訓練が行われた。

 部隊運用訓練は「限りなく実戦に近いブラインド型の訓練」として実施され、いわき市内及び双葉郡楢葉町内に設けられた5つの会場にて分散して実施。訓練には北海道東北ブロックに加え、関東ブロックから茨城県(統合機動部隊)と埼玉県(防災ヘリ)が参加。苫小牧市消防本部のドラゴンハイパー・コマンドユニットや新潟市消防局の津波・大規模風水害対策車といった、最新の部隊や装備を積極的に活用した活動が行われた。また、女性消防吏員の活躍推進を受け女性隊員の姿が多く見られたのも特徴的。本訓練では後方支援活動について、女性隊員の宿営などについては関係道県で協議を行い、道県の枠を超えて実施することが望ましい点は柔軟に連携を図るといった方針が打ち出されていた。

 参加隊員の一人は「この地で実施される緊急消防援助隊の訓練。この部隊数が集結した光景を目にすると、当時の記憶がよみがえる。あの日を忘れず、あらゆる災害に即応できる体制を確立していきたい」と静かに語った。東日本大震災を経て初めて津波被災地で開催された北海道東北ブロック合同訓練。参加隊員らはそれぞれの思いを胸に、防災への誓いを新たにした。

  • 本訓練では統合機動部隊として、関東ブロックから茨城県統合機動部隊も参加した。
  • できる限り実災害を体感できるよう、臨場感の⼀翼を担う⼯夫として緊急地震速報などのニュース映像が用意された。
  • 実践的訓練として、北海道東北ブロックでは民間団体と連携した緊急消防援助隊車両への燃料補給訓練を実施した。
  • 各会場で救出された要救助者は救急隊によりトリアージ及び応急処置が行われ、仮想病院へ搬送する。
  • 訓練では「大規模災害時の検索救助活動における統一的な活動標示(マーキング)方式」の活用が図られた。
  • 訓練ではドローンの活用が随所で見られた。


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