注目の消防車両 CLOSE-UP! 高規格救急車

救急車に関してはカタログモデルが採用されるのが一般的だが、地域の実情に応じて独自仕様で製作されることも少なくない。東広島市消防局が2015年に製作した高規格救急車「安芸津救急2」は配備される東広島消防署安芸津分署の道路事情に合わせ小型化を図った独自仕様車だ。同分署管内は山道や狭隘路が多く、通常の高規格救急車では進入が難しいエリアもあった。そこで、小回りが効き狭隘路などにも容易に進入できる車両として仕様を検討。日産のNV350キャラバン・ハイルーフ・標準ボディをベースとし、これに高度救命処置用資器材等を搭載して救急救命士による特定行為が可能な救急車として設計されている。

本部独自仕様で製作されている高規格救急車。見るからにコンパクトなのがわかる。

アンテナ基台なども車上ではなく側面に設置することで車高を抑えるよう配慮がなされている。

患者室の状況。限られた空間の中、一般的な高規格と同等のレイアウトを実現。

右スライドドア部は酸素ボンベ等の格納部になっている(写真左)。バックボード等はストレッチャー脇に収納(写真右)。

車内の状況。標準ボディをベースとしていることがよくわかる。

主警光灯にはウィレン製の散光式警光灯FVシリーズを採用。

補助警光灯としては大阪サイレン製のLFシリーズを採用。前面には金具取付型のLF-11、側面には壁面取付型のLF-12、バックドアには下方向のLEDパネルを搭載しバックドアオープン時の後方安全性を確保できるLF-13をそれぞれ使用している。

屋根に載るもう一つのギミックが換気ユニット。主警光灯と同等の高さ。

| SPEC DATA | |
| 車名 | 日産 |
| 通称名 | NV350キャラバン |
| シャーシ型式 | CBF-CS4E26 |
| 全長 | 5340mm |
| 全幅 | 1690mm |
| 全高 | 2400mm |
| ホイルベース | 2940mm |
| 最小回転半径 | 6m |
| 車両総重量 | 2910kg |
| 乗車定員 | 8名 |
| 原動機型式 | QR25 |
| 総排気量 | 2480cc |
| 駆動方式 | 4×2 |
| 配備年月日 | 平成27年3月5日 |
| 艤装メーカー | オートワークス京都 |
| お 知 ら せ |
| 本記事は最新消防装備等を広く紹介する趣旨で製作されたものであり、紹介する装備等は弊社が製造や販売を行うものではございません。 また、当該装備の製作や調達に関するお問い合わせを頂戴致しましても、弊社では対応いたしかねます。あらかじめご了承ください。 |
取材協力:東広島市消防局
写真・文:木下慎次
初出:2020年7月 Rising 夏号 [vol.18] 掲載

















