自然災害に備えよ! 警視庁 災害警備総合訓練
東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会を目前に控えた令和3年6月9日、警視庁では東京都江戸川区の江戸川及び同河川敷において災害警備総合訓練を実施した。警視庁では例年、自然災害等への対応力強化を図るべくこの時期に訓練を開催してきたが、昨年はコロナ禍の影響を考慮し中止された。しかし、東京2020大会の警備期間中であっても、風水害や地震、さらにはそれらが同時に起こる複合災害が起きないとも限らない。こうした考えのもと、2年ぶりに災害警備総合訓練が開催された。
救出救助訓練は4想定で実施。「多重衝突事故現場における道路啓開・救出救助訓練」では機動隊の救助隊員が事故車両からの救出活動を実施し、フォークリフトによる事故車両の移動などが行われた。「土砂崩落現場からの救出救助訓練」では土砂に飲み込まれた電車や家屋に対し、警備犬やドローンを駆使しての検索・状況把握や、重機やベルトコンベアを活用しての土砂排出などを展開。「避難誘導・水防工法訓練」では水陸両用バギーや災害用不整地運搬車、高性能救助車(ウニモグ)、災害用大量排水システム車などを駆使した活動を実施。「浸水家屋・漂流者救出救助訓練」では江戸川水面においてヘリや船艇を活用した立体的な活動が繰り広げられた。また、関連訓練として幹部緊急輸送訓練、被害状況把握訓練、衛星通信システム運用訓練なども実施された。
感染対策のため例年よりも規模を縮小して開催となった今年の訓練だが、それでも、警察官約600名、警察車両60台、ヘリコプター2機、警備艇3隻、警備犬・警察犬4頭が参加。警察機関の災害対応能力や救助力の高さを改めて実感させられる訓練となった。
本記事は訓練などの取り組みを紹介する趣旨で製作されたものであり、紹介する内容は当該活動技術等に関する全てを網羅するものではありません。 本記事を参考に訓練等を実施され起こるいかなる事象につきましても、弊社及び取材に協力いただきました訓練実施団体などは一切の責任を負いかねます。 |
取材協力:警視庁
写真・文:木下慎次
初出:2021年10月 Rising 秋号 [vol.23] 掲載