注目の消防車両 CLOSE-UP! 資機材搬送車

 西日本豪雨災害(平成30年7月豪雨)を教訓に、車両更新時にバージョンアップを進めている広島県の東広島市消防局。令和3年度は後方支援体制を強化すべく、指揮統制車と資機材搬送車の2台を更新した。

 資機材搬送車は東広島消防署に配備された「東広島輸送2」の更新。先代車両が幌付き平ボディだったのに対し、更新車両はバンボディに変更。最大積載量も1500㎏から3000㎏にアップされた。緊援隊として全国各地へ出動する際にはカゴ台車4台に納めた後方支援資機材などを搬送することが可能。また、水難救助事案対応として荷室を上下2分割で活用することが可能。上段に膨張状態の6人乗り救命ボート、下段に収納状態の20人乗り高機能救命ボートと台車型ボンベラック(潜水ボンベや空気ボンベを12本収納可能)を整然と積載することができる。

 先代車両は2輪駆動だったが、今回の更新を機に4輪駆動としている。

 

資機材搬送車はバンボディとすることで多彩な積載方法を実現。

 

側面には救助工作車と同じく「高度救助隊」のエンブレムをモチーフにしたデザインを採用。また、東広島消防署のある西条地区は酒蔵の町。酒蔵のなまこ壁をイメージしたラインを取り入れ地域性を表現している。

 

ラッシングバーを活用して空間を上下に2分割することで、ボート積載時も空間をフル活用することができる(写真左)。後部には積載物の出し入れを容易にするテールゲート昇降装置を備える(写真右)。

 

カゴ台車やボンベラックといった収納資機材によりスマートな積載が可能。

 

緊援隊として出動する際に携行する後方支援資機材を迅速に積載できるよう、カゴ台車が4台用意されている。

 


 

SPEC DATA
車名 いすゞ
通称名 エルフ
シャーシ型式 2PG-NPS88AN
全長 6350mm
全幅 2220mm
全高 3020mm
ホイルベース 3415mm
最小回転半径 6.4m
車両総重量 7365kg
乗車定員 3名
原動機型式 4JZ1
総排気量 2999cc
駆動方式 4×4
最大積載量 3000kg
ボディ構造 バンボディ
テールゲート昇降装置 新明和 RAM10-1374N
配備年月日 令和4年3月14日
艤装メーカー 吉谷機械製作所
契約先 赤防株式会社

 

 


 

お 知 ら せ
本記事は最新消防装備等を広く紹介する趣旨で製作されたものであり、紹介する装備等は弊社が製造や販売を行うものではございません。
また、当該装備の製作や調達に関するお問い合わせを頂戴致しましても、弊社では対応いたしかねます。あらかじめご了承ください。

 


 

取材協力:東広島市消防局

写真:伊木則人

文:木下慎次


初出:2022年7月 Rising 夏号 [vol.26] 掲載
(※この記事はRising掲載記事を補完したWeb完全版です)

 


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