注目の消防車両 CLOSE-UP! TEISEN 多目的救助工作車 MRV
救助工作車は救助省令に基づき、1署1救助隊の原則で整備されている。予算や人員面の影響で消防隊が兼務車両で救助対応を行うスタイルが大多数であり、兼務車両では救助性能も限られてしまう。また、広大なエリアを少ない救助隊で守備する地域では現着に時間がかかり、活動中は現場以外が救助空白エリアと化すなど、即応体制が崩れてくる。いうなれば、同じ管内であっても「安心の地域格差」が起きてしまっているのだ。こうした課題に対し、救助工作車のパイオニアであるテイセンは「初動救助活動(一次対応)を主眼とした救助工作車」を考えた。
消防隊が兼務するため、消火活動用にA-2級ポンプ、即消用の1500〜2000L程度の水槽が欲しいところ。救助資機材は交通救助を主として電動油圧救助器具などを中心に積載できれば十分で、三連はしごは必須。車両装備としては照明装置が必要で、フロントウインチは3トン以上のタイプがあれば十分といえる。これを従来型救助工作車と同じ完全オーダーメイドで製作するとなればかなり高額となり、現実味がない。そこで考えられたのがレディーメイドでの製作、つまり、基本仕様を設定し一部のみ個別対応する手法だ。後部ボディーはヨーロッパで一般的なローゼンバウアー製の完成キットを日本仕様にしたものを採用し、日本にてシャーシに載せる。 世界規模の消防メーカーであるローゼンバウアーとテイセンがコラボすることで、手軽で確実に普及できる夢のような仕様を備えた次世代型多目的救助工作車「MRV」が具現化されたのだ。この車両は東京国際消防防災展2018にて公開される予定である。なぜこの仕様なのか。その答えは実車を見れば納得できることだろう。
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TRES 2017
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本記事は最新消防装備等を広く紹介する趣旨で製作されたものであり、紹介する装備等は弊社が製造や販売を行うものではございません。 また、当該装備の製作や調達に関するお問い合わせを頂戴致しましても、弊社では対応いたしかねます。あらかじめご了承ください。 |
取材協力:帝国繊維株式会社
写真・文:木下慎次
初出:2018年04月 Rising 春号 [vol.09] 掲載