横浜市民防災センター リニューアルオープン記念イベント
「横浜市民防災センター」は昭和58年の開館以降、市内唯一の防災学習施設として約140万人の人々に防災についての学びを進めてきました。一方で、施設の老朽化が進み、また、東日本大震災をはじめとする近年の大災害で得られた教訓などを反映した新たな展示内容を取り入れる必要性が出てきたことから、平成27年4月1日(水)より改修工事のため休館に入り、機能を強化するための再整備を進めてきました。そして、平成28年4月1日(金)に、自助・共助の更なる推進に向けてリニューアルオープンを果たしました。
知ることから始まる体験型防災・減災学習
改修後は「自助・共助の大切さを伝え、その行動が起こせる人の育成」を目的として、地震などの様々な体験を通じ、わかりやすく、楽しみながら防災・減災を学ぶことができる施設へとバージョンアップ。インストラクターによる解説付き体験ツアーにより、体験施設の6つのコーナーを順番に回るスタイルに変化しました。
震度3~7までの揺れや、過去の地震などを体験できる地震シミュレーター。(写真1)/火災シミュレーターではまず消火器を使った消火体験(写真2)を行い、続けて煙からの避難行動を体験する。(写真3)/一般家庭を模した減災トレーニングルームでは何が起こるかお知られぬまま災害発生から避難までを疑似体験する。(写真4)
必要なコトがわかりやすく理解できる
このリニューアルオープンを記念したイベントは、平成28年4月17日(日)に行われました。
イベントでは地震体験、初期消火体験、煙避難体験などの災害体験ツアーに加え、避難所生活体験等のワークショップなども開催。平成28年(2016年)熊本地震の発災直後ということもあり、横浜市民防災センターにはあいにくの雨模様のなか約2500人を超す人々が訪れ、防災の備え等について熱心に聞く姿が見られました。
防災ライブラリーは横浜市の防災・減災に関する最新の取り組みや、災害に備えるためのヒントなどを、発災前の「備え」から「復興」まで、順序立てて紹介したコーナー。119番通報体験や防災クイズのコーナーも用意されている。(写真1)/家具の転倒防止措置についてなど、減災へのワンポイントアドバイスも学べる。(写真2)/こちらは揃えておきたい防災グッズの紹介。(写真3)
熊本へ向けた特別企画も実施
また、会場では熊本の被災地へ応援メッセージを届けようという緊急企画も実施。来場者はメッセージカードに思いおもいのコトバを書き込みました。
震災といった自然災害は、いつ、どこで発生するかわかりません。熊本での地震でもそうだったように、発災時は自助と共助が重要なカギとなります。
地域で互いに助け合うためのスキルを養う、また、いざ災害に遭遇した場合に不用に驚かなくて済むように、あらかじめこうした施設で疑似体験しておくことも重要です。
会場では熊本地震発生を踏まえ、応援メッセージの募集が行われた。(写真1)/避難生活体験では、避難所での生活について説明を受けることができ、熱心に耳を傾ける人が多かった。(写真2)/会場では消防団の協力によりペーパークラフトつくりも体験できた。(写真3~4)
避難所生活体験等のワークショップでは、新聞紙を用いたスリッパ作りも体験できた。(写真1~2)/折り重ねて作った新聞紙のスリッパに、足裏保護材としてダンボールを入れて完成。避難所での「部屋履き」や「トイレ用」などに活用できる。(写真3)
■横浜市民防災センターとは■
横浜市民防災センターは、横浜駅周辺の都市災害対応、市民への防災知識の普及啓発、備蓄物資・資機材の保管を主な目的として、昭和58年に開設しました。 |
■横浜市民防災センターへのアクセス■
横浜市民防災センター
http://bo-sai.city.yokohama.lg.jp/
〒221-0844 横浜市神奈川区沢渡4-7
TEL.045-312-0119 FAX.045-312-0386
※駐車場はありませんので周辺の駐車場をご利用いただくか公共交通機関をご利用ください。
取材協力:横浜市消防局[神奈川県]
写真・文:RISE取材班