注目の消防車両 CLOSE-UP! 指揮統制車

西日本豪雨災害(平成30年7月豪雨)を教訓に、車両更新時にバージョンアップを進めている広島県の東広島市消防局。令和3年度は後方支援体制を強化すべく、指揮統制車と資機材搬送車の2台を更新した。
本部の指揮車という位置づけになる指揮統制車は、災害現場活動を統制し情報を共有する機能を担う。今回の更新では情報収集能力の強化を図る車両として設計。災害現場の映像などを確認し、災害対策本部や警防本部、現場と情報共有するためのモニターを5台積載しているのが特徴だ。このうち現場指揮本部用モニターは完全防水型とし、車外にせり出させて使用できるマウントに設置することで、天候等に左右されず、容易にドローンからの映像や気象情報などを表示させることができる。また、車両と合わせて新たにドローン2機も導入。消防隊員が容易に近づくことが困難な危険区域において情報を迅速に収集することを可能にした。
先代車両は2輪駆動だったが、今回の更新を機に4輪駆動としている。

車内キャパと走破性を考慮して4輪駆動のハイエースをベースに製作。情報収集及び共有の強化としてモニター5台などが搭載されている。

バックドア部分にはルーフキャリアへの動線となる昇降用ラダーを備える。

車両後方に作業卓とモニターパネルを装備。

スイングマウントに設置された完全防水型モニター。

車両と共にドローンも整備。現場における情報収集能力の強化を図る(写真左)。また、ドローンオぺレーターを明示するベストも用意した(写真右)。

最大限の空間を確保した後部荷室。右側にラックを据え付け、引き出し式ラックに発動発電機を積載。
| SPEC DATA | |
| 車名 | トヨタ |
| 通称名 | ハイエース |
| シャーシ型式 | 3BF-TRH226K |
| 全長 | 5490mm |
| 全幅 | 1880mm |
| 全高 | 2520mm |
| ホイルベース | 3110mm |
| 最小回転半径 | 6.3m |
| 車両総重量 | 2860kg |
| 乗車定員 | 5名 |
| 原動機型式 | 2TR |
| 総排気量 | 2690cc |
| 駆動方式 | 4×4 |
| 無線機 | 活動波、主運用波、統制波 |
| 画像伝送装置 | 有 |
| 配備年月日 | 令和4年2月14日 |
| 艤装メーカー | 吉谷機械製作所 |
| 契約先 | 赤防株式会社 |

| お 知 ら せ |
| 本記事は最新消防装備等を広く紹介する趣旨で製作されたものであり、紹介する装備等は弊社が製造や販売を行うものではございません。 また、当該装備の製作や調達に関するお問い合わせを頂戴致しましても、弊社では対応いたしかねます。あらかじめご了承ください。 |
取材協力:東広島市消防局
写真:伊木則人
文:木下慎次
初出:2022年7月 Rising 夏号 [vol.26] 掲載
(※この記事はRising掲載記事を補完したWeb完全版です)

















