大規模林野火災対応訓練

 横浜市消防局では、全国で大規模な林野火災が頻発している状況を踏まえ、市内緑地で火災が発生した場合の延焼拡大防止を目的とした実践的な訓練として、2026年1月26日、金沢自然公園・金沢動物園(横浜市金沢区)の駐車場において、消防ヘリと地上部隊が連携した大規模な林野火災対応訓練を実施した。この訓練には特別高度救助部隊や機動特殊災害対応隊、消防航空隊をはじめ、中・金沢・港南・栄の各消防署部隊が参加し、大規模かつ統合的な訓練により、航空・地上の連携など一連の活動が検証された。

 訓練は、金沢動物園職員による火災発見および通報から開始された。通報を受けた消防側は、直ちに指揮隊を中心に活動体制を確立し、ドローンを活用して上空から延焼状況の偵察および熱源検知を実施した。

 続いて、地上部隊による放水活動が展開される。地上に設定した放水銃や消防車両搭載の放水銃、はしご車の梯上から、火点を想定した緑地斜面に対して大量放水を実施。さらに、「ドラゴンハイパー・コマンドユニット」による放水活動も展開された。同ユニットは石油コンビナート火災等に対応する精鋭部隊として緊急消防援助隊に登録されているもので、国内12地域に配置されている。大型放水延長車は走行しながら150㎜ホースを最大1㎞延長し、車両上部の大型放水砲から毎分8000リットルの放水が可能である。大容量送水車は水源から毎分4000リットルを1㎞先まで送水し、安定した放水体制を確保することができる。2025年2月に岩手県大船渡市で発生した大規模な山林火災では、横浜市消防局に配備されている同ユニットも現地で活動し、遠距離送水能力やパワフルな放水能力の有効性が再認識された。今回の訓練では、これらのさまざまな手段による放水が試され、運用手順や連携要領が確認された。

 消防航空隊による空中消火訓練では、ホバリングする消防ヘリに、地上隊員が消火バケットを取り付け、延長したホースでの給水を行った。給水後、バケットを装着した機体が火災現場を想定した緑地エリア上空へ進出し、散水を実施した。

 林野火災はひとたび発生すれば、住宅地への延焼リスクが高まる。今回の訓練は、発見・通報から偵察、空中消火、地上からの大容量放水までを一連で実施するもので、実災害に即した対応力の向上を図るものであった。横浜市消防局は今後も継続的な訓練を通じ、市民の生命・身体・財産を守るための備えを強化していく方針である。

 

  • 活動部隊が現場指揮本部に集結する。
  • ドローンによる偵察活動が行われる。
  • ドローンによる偵察活動が行われる。
  • ドローンを活用しての熱源検知の様子。
  • 港南台消防隊の可搬式放水銃による放水。
  • 東富岡消防隊の化学車による放水。
  • 本牧和田大型放水延長隊の大型放水延長車による放水。
  • ヘリ機体に消火バケットを設定する地上隊員。
  • 消火バケットへの給水を行う能見台特別救助隊の隊員たち。
  • 火災現場を想定した緑地エリアにて散水を行う「はまちどり2」。
  • 散水を終えた「はまちどり2」が給水ポイントへ戻ってくる。
  • 地上部隊による一斉放水。

 


 

取材協力:横浜市消防局

文:木下慎次


初出:2026年4月 Rising 春号 [vol.41] 掲載

 


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