大規模集結・空中消火訓練

 全国的に大規模な林野火災が頻発したことを踏まえ、首都圏の消防機関が連携し、大規模林野火災を想定した合同訓練が実施された。2025年12月4日に行われた本訓練は、航空部隊の即応体制と広域連携の強化を目的に企画されたもので、埼玉県防災航空隊、千葉市消防局、東京消防庁、横浜市消防局の各航空隊が参加し、集結訓練や空中消火訓練などが行われた。

 訓練想定は、神奈川県内の宮ヶ瀬湖周辺及び芦ノ湖周辺の2か所で同時に林野火災が発生し、強風により延焼拡大しているというもの。訓練ではまず、広域航空消防応援の要請を受けた埼玉県防災航空隊の「あらかわ3」、千葉市消防局の「おおとり2」、東京消防庁の「かもめ」が、ヘリベースとなる横浜ヘリポート(横浜市金沢区)に集結した。集結部隊はヘリベース指揮者から現場の状況説明を受け、任務が付与された。

 埼玉及び東京のヘリは宮ヶ瀬湖周辺の現場を担当。空中消火訓練として、現地で厚木市消防本部と連携し、給水の地上支援を受けながら上空からの散水を実施した。芦ノ湖周辺の現場は千葉のヘリが対応。地上支援を行う箱根町消防本部及び川崎市消防局と連携し、上空からの散水を行った。

 今回の訓練では、応援部隊の受け入れから前線拠点の運営、離着陸訓練、燃料補給、交代要員の手配など、一連の流れが実施された。また、離着陸訓練及び部隊訓練として、横浜市消防局の「はまちどり2」は、横浜市保土ケ谷区にある横浜市消防局本部庁舎屋上ヘリポートに急行し、特別高度救助部隊をピックアップ。宮ヶ瀬湖周辺及び芦ノ湖周辺の現場に対する部隊輸送や上空からの偵察などを実施。実際の災害発生時を見据えた実戦的な内容となった。

 本訓練が行われた5日後に神奈川県伊勢原市で林野火災が発生し、2026年1月に神奈川県秦野市や山梨県上野原市、静岡県藤枝市などで立て続けに林野火災が発生し、本訓練に参加した航空部隊が実際に出動して空中消火や熱源探査といった活動に従事した。訓練で確認した動きが試されることとなった。

 

  • ヘリベースとなる横浜ヘリポートには神奈川県消防保安課の職員も駆けつけ、応援部隊受け入れのための準備が進められる。
  • 部隊輸送訓練のため、横浜市消防局の「はまちどり2」が離陸する。
  • 駐機する千葉市消防局の「おおとり2」。その他の航空隊も続々と集結する。
  • ヘリベースに到着した埼玉県防災航空隊の「あらかわ3」。指定された駐機場所へと機体を移動させる。
  • 埼玉・千葉・東京の消防防災ヘリが集結。
  • 到着部隊は受付を済ませ、活動資料のファイルを受け取る。
  • 集結部隊に対して情報提供などが行われる。
  • 各隊の情報交換が行われる。
  • 格納庫の一角に集結部隊用の待機スペースが設置された。
  • 宮ヶ瀬湖周辺での空中消火を担当する埼玉県防災航空隊の隊員らが、それぞれの装備の準備を行う。
  • 宮ヶ瀬湖周辺の空中消火を実施するため離陸準備を行う東京消防庁の「かもめ」。

 


 

取材協力:横浜市消防局

文:木下慎次


初出:2026年4月 Rising 春号 [vol.41] 掲載

 


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